MS-DOS起動用CD(ブートCD)の作成 [デジもの]
概要:
ほとんどのPCからFDD(Floppy Disk Drive)が消えて久しいが、
Windows Xpを使っているユーザなどにとっては
BIOSのアップデートやDiagnosticチェックツールなど、
未だにMS-DOSでPCを起動して作業するシーンが存在する。
稼働するFDDのあるPCなら、起動用diskの作成メニューで簡単に
MS-DOS起動用のディスクを作成できたが、
CD/DVD/BDのドライブしかないPCではそうもいかない。
そこで、回避策として、MS-DOSでBoot可能なCD-ROMを
作成する方法を試してみたところうまくいったので、
その記録を備忘録として記す。
----------------------------------------
経緯:
----------------------------------------
DELL Dimension 4500cのマザーボードのバッテリーを交換したときに、
Flash BIOSがクリアされてしまったので、BIOSのVersionが工場出荷の
初期状態に戻ってしまった。
Windows XPは起動できたが、デバイスマネージャ上でUSB2.0など他、
いくつかのデバイスに「!」が付いていて、問題が発生した様子だった。
OS側は最新のBIOSに合わせて動くように設定されていたが、
BIOSは初期状態になってしまったので、うまく動かなくなった部分が
あるのだろう。
一つ一つOS側で手当てしていく方法もあるが、色々面倒そうである。
いっそのこと、またBIOSを上げてしまおうと思って、
DELLのサポートサイトからWindows上で実行できるBIOSのUpdateツールを
取ってきて実行しようとした。
しかし、「重大な情報が取得できない」と言われてツールが起動できず、
解決の見込みもなさそうであった。
BIOSをUpdateするツールさえも動いてくれないとは。
妙な状態にハマり込んでしまったようである。
そこで、MS-DOSでPCを起動して強制的にBIOSを書き換える方法を考えた。
幸いにも、DELLからはMS-DOS前提で起動するツールも別途提供されている。
しかし、当のDELL Dimension 4500cには、CD-ROMドライブは付いているが、
FDDは付いていない。しかも、BIOSのboot sequenceにはFDDを設定できない
ようで、USBのFDDドライブから起動という道もなさそうである。
よって、MS-DOSで起動可能なCD-ROMを作成し、CD-BOOTする方法を試そうと
思うに至った。
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状況の整理:
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まずは、状況を整理し、対応開始することにした。
■機体
DELL Dimension 4500c
OS:Windows XP SP3
CPU:Pentium 4 2.0GHz
メモリ:266-MHz DDR SDRAM(non-ECC) 768MB(512MB+256MB)
HDD:120GB
グラフィック:nVidia GeForce 420MXシリーズ
ドライブ類:CD-RWドライブ×1
■状況
・FDDは機体になし。
・BIOSのboot sequenceにはFDDを設定不可。
※USBのFDD-DriveでBootすることもできない
・CDからのBootはBIOSのboot sequenceに設定可能。
・MS-DOS前提のツールは入手済み。
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作業した内容
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■事前準備:
まず、次のサイトを参照した。
このサイトに紹介された方法に基本的に従う。
・とあるちいさなメモ用紙の野望
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Cupertino/3686/index.html
→MS-DOS 起動ディスク
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Cupertino/3686/bootable_fddemu.html#msdos
使用するツールは以下の2つであるので、あらかじめダウンロードしておく。
もちろんフリーソフトのみである。
ただし、Virtual Floppy Driverは上記のサイトに紹介されているURLは
リンク切れになっているようで、探したところ、Version upされたのか
若干GUIは異なるものの、sourceforge.jpより同じツールを入手することができた。
Virtual Floppy Driver
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
仮想化フロッピードライブをメモリ上に作成する。
FDDデバイスと同じようにフォーマットなども可能。
FDのイメージをファイル化して保存できる。
http://sourceforge.jp/projects/sfnet_vfd/releases/
→vfd21-080206.zip
※2011/02/28時点最新版
fdtoiso
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
Virtual Floppy Driverで作成したFDのイメージファイルを
ISOファイルに変換することができる。
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Cupertino/3686/fdtoiso.html
(上述の「とあるちいさなメモ用紙の野望」のサイト内で公開されているツールである)
あとは、ISOイメージを焼くことのできるCD-ROM Writing ソフトが
もちろん必要である。
■Virtual Floppy Driverの起動とFDイメージの作成:
Virtual Floppy Driverをダウンロードしてきて、Zipファイルを展開し、
『vfdwin.exe』を実行する。
GUIのツールが立ち上がり、デフォルトで『ドライバ』のタブが選択された
状態になっている。
このままではVirtual Floppy Driverは動かないので、
『インストール』ボタンを押して、ドライバを組み込む。
Logの欄に結果が表示される。
ドライバが組み込まれたら次に『開始』ボタンを押す。
ドライバが開始されたLogが表示される。
次に、ドライブを設定する。
『ドライブ0』のタブを表示する。
ドライブ文字 の『変更』ボタンを押して、仮想化FDDを
現在空いているどのドライブ文字に割り当てるのかを決める。
OKを押すと、ドライブ0にドライブ文字が割り当てられる。
次に、『開く/新規』ボタンを押すと、『仮想フロッピーイメージを開く』
というウィンドウが立ち上がり、FDの設定内容を決められる。
ここでは、新しく作成するのみなので、
デフォルトのまま『作成』ボタンを押す。
ここまですると、マイコンピュータに作成した仮想化FDDドライブが
出現しているはずである。
この仮想化ドライブは、通常のフロッピードライブと同様にフォーマット
などを可能なので、MS-DOSの起動ディスク用にフォーマットを実行する。
メモリ上のドライブなので、本物のFDDとは比べ物にならないぐらい早い。
無事にMS-DOSの起動ディスク用にフォーマットが完了すると、
仮想化ドライブの中にMS-DOSの起動用のファイル群が作成されている。
ここに、MS-DOSの起動後必要なツールなどを追加しておく。
(BIOSのUpdateツールや、Diagnosticチェックツールなど)
必要なファイルを仮想化ドライブに追加したら、この状態で
仮想化ドライブの内容をファイル化する。
Virtual Floppy Driverのドライブ0のタブ上で、『保存』ボタンを
押すと、『仮想フロッピーイメージを保存』というウィンドウが上がるので、
保存先のファイル名を指定して『保存』を押す。
無事に保存されると、『仮想フロッピーイメージを保存』の
ウィンドウは閉じ、Logの欄に結果が表示される。
以上で起動用FDのイメージを作成完了したので、
Virtual Floppy Driverを終了する。
『ドライバ』タブに戻って『停止』ボタンを押す。
Logの欄に結果が表示される。
ここまですると、先ほどマイコンピュータに出現していた仮想化FDDドライブが
消えている。
■fdtoisoの起動とISOイメージの作成:
次に、fdtoisoを起動する。
サイトよりダウンロードしたZipを展開し、『fdtoiso.exe』を実行する。
GUIが起動し、FDイメージ→ISOイメージ変換 ウィンドウになるので、
『ここにFDイメージをドラッグ&ドロップ』の欄に
先ほど作成したFDイメージをドラッグ&ドロップする。
『ISOイメージ作成画面へ』ボタンを押すと、ISOイメージの保存先を
尋ねてくるので、指定する。
ISOイメージの作成画面になったら、『実行!』ボタンを押す。
これで、Log欄に進行状況が表示される。
作成が完了したら、『閉じる』を押してアプリケーションを終了する。
以上で、作成したFDイメージはISOイメージに変換された。
■ISOイメージをCD-ROMに焼く:
手持ちのCD-ROM Writing ソフトを起動し、
ISOイメージからCD-ROMを作成するメニューで、
先ほど変換されたISOイメージを読み込んで焼く。
作成されたCD-ROMの内容をみると、
仮想化FDにたくさん作成された起動用ファイルや
後から追加したツールなどのファイルが見えないが、
イメージの中に書き込まれていて、CD-ブートすると
ちゃんとファイルとして見えるようになるので大丈夫である。
■BIOSのboot sequenceをCD優先にしておく:
BIOSのboot sequenceで、HDDよりもCD-ROMが先に起動用イメージとして
見られるように変更しておく。
これで、CD-ROMをドライブに入れて、PCを再起動すると、
MS-DOS-プロンプトでPCが立ち上がる。
仮想化FDに追加したツールなどを、コマンドラインで起動できる。
ほとんどのPCからFDD(Floppy Disk Drive)が消えて久しいが、
Windows Xpを使っているユーザなどにとっては
BIOSのアップデートやDiagnosticチェックツールなど、
未だにMS-DOSでPCを起動して作業するシーンが存在する。
稼働するFDDのあるPCなら、起動用diskの作成メニューで簡単に
MS-DOS起動用のディスクを作成できたが、
CD/DVD/BDのドライブしかないPCではそうもいかない。
そこで、回避策として、MS-DOSでBoot可能なCD-ROMを
作成する方法を試してみたところうまくいったので、
その記録を備忘録として記す。
----------------------------------------
経緯:
----------------------------------------
DELL Dimension 4500cのマザーボードのバッテリーを交換したときに、
Flash BIOSがクリアされてしまったので、BIOSのVersionが工場出荷の
初期状態に戻ってしまった。
Windows XPは起動できたが、デバイスマネージャ上でUSB2.0など他、
いくつかのデバイスに「!」が付いていて、問題が発生した様子だった。
OS側は最新のBIOSに合わせて動くように設定されていたが、
BIOSは初期状態になってしまったので、うまく動かなくなった部分が
あるのだろう。
一つ一つOS側で手当てしていく方法もあるが、色々面倒そうである。
いっそのこと、またBIOSを上げてしまおうと思って、
DELLのサポートサイトからWindows上で実行できるBIOSのUpdateツールを
取ってきて実行しようとした。
しかし、「重大な情報が取得できない」と言われてツールが起動できず、
解決の見込みもなさそうであった。
BIOSをUpdateするツールさえも動いてくれないとは。
妙な状態にハマり込んでしまったようである。
そこで、MS-DOSでPCを起動して強制的にBIOSを書き換える方法を考えた。
幸いにも、DELLからはMS-DOS前提で起動するツールも別途提供されている。
しかし、当のDELL Dimension 4500cには、CD-ROMドライブは付いているが、
FDDは付いていない。しかも、BIOSのboot sequenceにはFDDを設定できない
ようで、USBのFDDドライブから起動という道もなさそうである。
よって、MS-DOSで起動可能なCD-ROMを作成し、CD-BOOTする方法を試そうと
思うに至った。
----------------------------------------
状況の整理:
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まずは、状況を整理し、対応開始することにした。
■機体
DELL Dimension 4500c
OS:Windows XP SP3
CPU:Pentium 4 2.0GHz
メモリ:266-MHz DDR SDRAM(non-ECC) 768MB(512MB+256MB)
HDD:120GB
グラフィック:nVidia GeForce 420MXシリーズ
ドライブ類:CD-RWドライブ×1
■状況
・FDDは機体になし。
・BIOSのboot sequenceにはFDDを設定不可。
※USBのFDD-DriveでBootすることもできない
・CDからのBootはBIOSのboot sequenceに設定可能。
・MS-DOS前提のツールは入手済み。
----------------------------------------
作業した内容
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■事前準備:
まず、次のサイトを参照した。
このサイトに紹介された方法に基本的に従う。
・とあるちいさなメモ用紙の野望
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Cupertino/3686/index.html
→MS-DOS 起動ディスク
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Cupertino/3686/bootable_fddemu.html#msdos
使用するツールは以下の2つであるので、あらかじめダウンロードしておく。
もちろんフリーソフトのみである。
ただし、Virtual Floppy Driverは上記のサイトに紹介されているURLは
リンク切れになっているようで、探したところ、Version upされたのか
若干GUIは異なるものの、sourceforge.jpより同じツールを入手することができた。
Virtual Floppy Driver
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
仮想化フロッピードライブをメモリ上に作成する。
FDDデバイスと同じようにフォーマットなども可能。
FDのイメージをファイル化して保存できる。
http://sourceforge.jp/projects/sfnet_vfd/releases/
→vfd21-080206.zip
※2011/02/28時点最新版
fdtoiso
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
Virtual Floppy Driverで作成したFDのイメージファイルを
ISOファイルに変換することができる。
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Cupertino/3686/fdtoiso.html
(上述の「とあるちいさなメモ用紙の野望」のサイト内で公開されているツールである)
あとは、ISOイメージを焼くことのできるCD-ROM Writing ソフトが
もちろん必要である。
■Virtual Floppy Driverの起動とFDイメージの作成:
Virtual Floppy Driverをダウンロードしてきて、Zipファイルを展開し、
『vfdwin.exe』を実行する。
GUIのツールが立ち上がり、デフォルトで『ドライバ』のタブが選択された
状態になっている。
このままではVirtual Floppy Driverは動かないので、
『インストール』ボタンを押して、ドライバを組み込む。
Logの欄に結果が表示される。
ドライバが組み込まれたら次に『開始』ボタンを押す。
ドライバが開始されたLogが表示される。
次に、ドライブを設定する。
『ドライブ0』のタブを表示する。
ドライブ文字 の『変更』ボタンを押して、仮想化FDDを
現在空いているどのドライブ文字に割り当てるのかを決める。
OKを押すと、ドライブ0にドライブ文字が割り当てられる。
次に、『開く/新規』ボタンを押すと、『仮想フロッピーイメージを開く』
というウィンドウが立ち上がり、FDの設定内容を決められる。
ここでは、新しく作成するのみなので、
デフォルトのまま『作成』ボタンを押す。
ここまですると、マイコンピュータに作成した仮想化FDDドライブが
出現しているはずである。
この仮想化ドライブは、通常のフロッピードライブと同様にフォーマット
などを可能なので、MS-DOSの起動ディスク用にフォーマットを実行する。
メモリ上のドライブなので、本物のFDDとは比べ物にならないぐらい早い。
無事にMS-DOSの起動ディスク用にフォーマットが完了すると、
仮想化ドライブの中にMS-DOSの起動用のファイル群が作成されている。
ここに、MS-DOSの起動後必要なツールなどを追加しておく。
(BIOSのUpdateツールや、Diagnosticチェックツールなど)
必要なファイルを仮想化ドライブに追加したら、この状態で
仮想化ドライブの内容をファイル化する。
Virtual Floppy Driverのドライブ0のタブ上で、『保存』ボタンを
押すと、『仮想フロッピーイメージを保存』というウィンドウが上がるので、
保存先のファイル名を指定して『保存』を押す。
無事に保存されると、『仮想フロッピーイメージを保存』の
ウィンドウは閉じ、Logの欄に結果が表示される。
以上で起動用FDのイメージを作成完了したので、
Virtual Floppy Driverを終了する。
『ドライバ』タブに戻って『停止』ボタンを押す。
Logの欄に結果が表示される。
ここまですると、先ほどマイコンピュータに出現していた仮想化FDDドライブが
消えている。
■fdtoisoの起動とISOイメージの作成:
次に、fdtoisoを起動する。
サイトよりダウンロードしたZipを展開し、『fdtoiso.exe』を実行する。
GUIが起動し、FDイメージ→ISOイメージ変換 ウィンドウになるので、
『ここにFDイメージをドラッグ&ドロップ』の欄に
先ほど作成したFDイメージをドラッグ&ドロップする。
『ISOイメージ作成画面へ』ボタンを押すと、ISOイメージの保存先を
尋ねてくるので、指定する。
ISOイメージの作成画面になったら、『実行!』ボタンを押す。
これで、Log欄に進行状況が表示される。
作成が完了したら、『閉じる』を押してアプリケーションを終了する。
以上で、作成したFDイメージはISOイメージに変換された。
■ISOイメージをCD-ROMに焼く:
手持ちのCD-ROM Writing ソフトを起動し、
ISOイメージからCD-ROMを作成するメニューで、
先ほど変換されたISOイメージを読み込んで焼く。
作成されたCD-ROMの内容をみると、
仮想化FDにたくさん作成された起動用ファイルや
後から追加したツールなどのファイルが見えないが、
イメージの中に書き込まれていて、CD-ブートすると
ちゃんとファイルとして見えるようになるので大丈夫である。
■BIOSのboot sequenceをCD優先にしておく:
BIOSのboot sequenceで、HDDよりもCD-ROMが先に起動用イメージとして
見られるように変更しておく。
これで、CD-ROMをドライブに入れて、PCを再起動すると、
MS-DOS-プロンプトでPCが立ち上がる。
仮想化FDに追加したツールなどを、コマンドラインで起動できる。
2011-03-01 23:59
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